フロンターレを離れ
活躍の舞台は東京五輪へ

 ところで天野は2017年1月末日をもって川崎フロンターレを一旦離れ、出向の形で東京オリンピック大会組織委員会に籍を移す。

2017年1月末をもって、フロンターレを離れ、東京オリンピック大会組織委員会に出向する天野春果氏

「オリンピックを活用して日本という国を世界に発信していく。良いアピールをしてプロモーションしていきたい。つまり、カントリーセールスということ。この国の良さをいかに発信できるのか。大会期間は17日間しかありませんが、ワールドカップとオリンピックの違いは参加国数にある。ワールドカップが32なのに対して、オリンピックは200以上の国や地域。全然違うわけですよね。つまり日本という国を知ってもらうにはこれほどいい機会はない」と、天野は力説する。

 同じ都市に3度五輪が来ることはないということを考えれば、東京開催はこれが最後になる。史上最後のこの機会を生かし、東京や日本はもちろん、川崎の良さも世界に売り込んでいきたいと意気込んでいた。フロンターレを活用し、サッカーの舞台で実現できたことを五輪というビッグイベントの中でどこまで達成できるのか。楽しみなところだ。

 なお天野が先頭を切って作り出してきたものを、川崎に残ったメンバーが継承できるのかという心配はあるが、「フロンターレというクラブの強みとして、大本を支えている人が変わってないということ。ずっと同じ色で突き進めるはずだ」と天野は話していた。天野退職後の川崎にも注目したいと思う。(文中敬称略)

(フリーライター 江藤高志)