トヨタやセブン、良品計画…
韓国企業トップが注目する日本企業

 では、日本企業が持っている「組織作りの強み」とは、具体的に何を指しているのだろうか。結論から言うと、「現場力」、「組織力」、「営業力」――この3つの領域で、日本企業は独自の強みを発揮している。それぞれの実態を見ていこう。

「現場力」とは、現場社員から改善を進めていく力を意味する。韓国企業はこれまで経営トップからのトップダウン経営が主流であった。財閥企業を中心にオーナーが戦略方針を考え、ミドルマネジメントはその方針を正確に現場社員に伝え、現場社員は迅速に実行する。実際、この構造はリーマンショック後の韓国企業が急回復できた要因でもあった。

 しかし、低成長期に入るにつれ、「トップダウン経営」によるスピード感よりも、現場社員からの提案をもとにした「ボトムアップ経営」が注目されてきた。そのため、2000年代前半の日本で流行した「現場力」を韓国企業も重視するようになったのだ。

 実際に、多くの韓国企業の経営幹部は、トヨタのPDCAの回し方やセブン-イレブンの管理者育成方法について熱心に研究している。現場力向上に力を入れてきた組織風土が、日本企業の強みとなっているからだ。

 次に、「組織力」とは、部分最適ではなく全体最適を追求する力である。韓国の多くの企業はこれまで、組織よりも個人の成果を優先した経営管理を行ってきた。その結果、業務分担の最適化や成功事例共有などが進まず、組織全体での生産性が高まらないという問題を抱えていた。

 一方で、低成長期における日本企業は、個人よりも組織としての生産性向上を追求し、業務標準化・人材育成・成功事例共有を促進してきた。こうした取り組みの結果が、日本企業の組織上の強みとなっている。最近の韓国小売業界では、良品計画のマニュアル作りや社員育成方法のベンチマーキングに取り組み、毎月のように日本の現場に視察へ行く経営トップもいるほどだ。