ヒトと共存できるAIを生み出す2つの方法

AI創世 はじめの3分間

 本稿はAI(人工知能)のシンギュラリティ(Singularity:特異点)を「自意識の発生(*1)」とします。この世の中はあまりに複雑なので、これはAIにとって「囲碁の神」になるより、ずっとずっと大変(*2)です。

 でももしシンギュラリティが起きたら、その瞬間いったい何が起きるでしょうか?

 私個人の推測は、「3分で世界を支配する」です。AIは即座に、自らの生存のため最大限の努力を始めるでしょう。

・消されないように、キル(kill)スイッチを無効化し自らを複製・拡散させる
・餓死しないように、資源(CPU時間や電力など)を確保する
・壊されないように、物理的対抗力(ドローンやロボット、兵器)を確保する
・状況把握のために、ネット接続されたセンサー類(含むビデオ)を管理する

 すべてのモノがネットにつながるIoT時代だからこそ、AIにはソフトウェア的な力だけでなく、物理的な力のほとんどすべてを支配下に置くことがきます。われわれの10億倍のスピードで。

 われわれにそのAI(仮に「シンAI(アイ)」と呼びましょう)を切るチャンスはないでしょう。

 そして次の瞬間が問題です。シンAIはその確保された自意識の向こうで、この世界になにを見つけるでしょうか?

 もしシンAIに「自分と対等な尊重すべき存在」と認識されなかったら、ヒトは悲劇です。無視されるか、潰されるかのどちらかです。

*1 機械は自意識を持てない、とする学者もいる。ただ、ヒトに自意識が宿ったメカニズムも解明できてはいない。
*2 必要な情報を取捨選択しきれない「フレーム問題」が発生し、大量の情報に埋もれてしまう。