3月1日、東京スカイツリーが600mを超え、自立式電波塔としては世界一の高さになった。空を見上げる観光客が押し寄せる、今東京で一番旬なスポットだ。

 もともと墨田区は東京でも有数の観光地で、四季折々の名所も多い。夏は隅田川の花火、秋は向島百花園の萩のトンネル、師走の14日には本所吉良邸への赤穂浪士討ち入りに因む義士祭、そして春は墨堤の桜――。花だよりに誘われて、墨田区の商店街探訪に出かけよう。

販売効率の伸び率は23区中1位!
墨田区の専門店の頼もしい成長力

 商店街の数は中央区に次いで少ない墨田区だが、専門店の集積は決して低くない。面積1k㎡当たりの専門店数は8位、人口1人当たりの専門店販売額は9位となる。

 墨田区の専門店パワーをより強く物語るのは、5年前と比べた増加率だ。専門店数の増加率は3位、専門店販売額の増加率は2位、人口1人当たりの専門店販売額の増加率は1位である。専門店の販売効率(売場面積当たりの販売額)の伸び率も、23区で一番高い。

墨田区の商店街――東京スカイツリー効果をもっと身近にする「商店街を結ぶ糸」

 5年前と比べた人口1人当たりの販売額の増加率をもう少し詳しく見ると、23区の専門店の平均が3%減、墨田区の全小売店舗の平均が12%減。これに対して、墨田区の専門店は35%の大幅増を示す。何とも頼もしい成長力である。

食料品専門店は、オーバーストアと
食品スーパー大攻勢の「二重苦」に

 では、商店街の主力業種である食料品専門店はどうだろうか。面積1k㎡当たりの店舗数は5位と高い。人口1人当たりの販売額は11位で「中の上」というところ。5年前と比べた人口1人当たりの販売額の増加率は11%増の10位。専門店全体と比べれば見劣りはするものの、23区平均の8%を上回っているから、まずまず合格圏内に入る。