だが我々医療者は情報収集の専門家ではないため、有益な情報を伝達できない場面もある。たとえばある特定の被災地で起こった状況をすべての被災地で発生しているように伝えたり、自分の専門領域に偏って報告することも考えられる。あるいは「阪神・淡路大震災時の被災者よりひどい」などと抽象的な表現を使うため、十分に被災地の状況が把握できずにいる可能性もある。

 状況が刻一刻と変化するため、定型のヒアリングシートを作ってもすぐに陳腐化してしまうことが懸念される。

 情報収集を効率化するには、バランスのとれた災害医療チーム編成が求められる。

 たとえば、患者へのヒアリング能力の高い看護師をチームに加えるとか、情報整理がうまい事務員をメンバーに入れることで、正確でタイムリーな情報収集が可能になるのではないか。チームリーダーである医師の指揮のもと、医療に必要な情報が集まるとメリットは大きい。

災害医療②
慢性期対応チームの結成

 石巻赤十字病院では、被災地において適切なタイミングで薬が届けられなかったり、衛生面が悪化していることを受けて、今後は慢性疾患の患者が増えると予想している。

 また、被災後2週間以上が経過し、避難生活への疲労から「心のケア」も必要になってくるとみているようだ。

 これらに対応するには、慢性疾患の治療に詳しい医師や、公衆衛生に詳しい専門家、保健師、カウンセラーなどの医療人材が必要になってくると思われる。これから災害医療支援を検討しているチームは、チームメンバーに留意し、これらの専門家を加えるとより被災地のニーズに合った医療支援ができると考える。