従業員をファンにする
ヤクルトの強さ

インターブランド社長兼CEOの並木将仁氏

 一方、日産はトップダウン戦略の成功例として見ることができる。カルロス・ゴーン社長兼CEOは最近、日経新聞の「私の履歴書」に登場。連載第22回目では「腰据えてブランド力磨く」と題し、トップ自らがブランドを重要視する姿勢を示した。

「電気自動車(EV)と自動運転に技術を集中させており、他社に先駆けた商品も出しています。『売れるクルマをとにかく出そう』というようなスタンスではブランドは育たない。日産は明確にターゲットを絞り、技術の強さというイメージを定着させています」(並木社長)

 自動車以外で並木社長が注目するのは、28位にランクインしたヤクルト。ブランド力強化というと、顧客を対象にした施策をイメージしがちだが、「インターナルブランディング」、つまり社員のロイヤリティ強化や“社内のファンづくり”も立派なブランド戦略の一環だ。ヤクルトは、これに成功している企業と言える。

 ヤクルトは世界各国の販売員が集う「ヤクルト世界大会」を開催するなど、販売員とのコミュニケーションを重視する会社だ。商品の良さを知り、商品を愛するマインドを持った販売員を育成することは、ブランド力強化に他ならない。「広告宣伝をすればブランドイメージが上がる、と考えるのは間違い。提供する商品やサービス、そしてそれらを体験する販売店などの空間、さらに提供する人や伝え方など、企業活動のあらゆるシーンでブランドが体現されていることが重要なのです」(並木社長)。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)