若手社員に「夢を持て」と言うのは、余計なお世話で有害だ

3月から就職活動が解禁となった。就活を始めた学生や新入社員などの若者に対し、しばしば会社側は「夢」を考えさせて、発表させようとする。しかし、こうした行為は若者にとっては“余計なお世話”であり、むしろ“有害”に他ならない。(株式会社識学代表取締役社長、組織コンサルタント 安藤広大)

新入社員セミナーなどで
「夢」を発表させても意味がない

「社会に出たら、まず夢を持つことが大切だ。そうすれば、つらいことも乗り越えることができる」「10年後のなりたい自分をイメージしてください。そこから逆算すれば、今の自分がやるべきことが見えてきます」――。

 新入社員や若手の頃によく、先輩社員や上司、また、研修講師から耳にした言葉です。そして、「なりたい自分」や「夢」を必死に考えて提出し、無理矢理、発表したような記憶があります。

 しかし、これらの作業は、ほとんど意味がありません。むしろ、逆効果となることもあるかもしれません。

 そういえば、最近CMで、ベテランのタレントが「夢は急に持たない方がいい。見えてくるまでは見ない」と言っていました。

 まさに、その通りなのです。どういう事なのかを解説していきます。

 まず、「こうなりたい」「仕事でこういう事を実現したい」――。

 この感覚は、どういう時に発生するのでしょうか。 少なくとも、机の上で必死に考えている時ではなさそうです。