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パナソニックがスポーツビジネスに
本格進出する理由

大河原克行
【第142回】 2017年3月16日
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 たとえば、パブリックビューイングの考え方も、日本と米国とでは姿勢が大きく異なる。

 日本代表の試合などでは、公民館や学校などの公共施設を利用したパブリックビューイングが目立つが、これはまさに「体育」の延長線上の考え方。しかし、米国ではバーやカフェなどでパブリックビューイングを行い、そこで飲食やグッズによる売り上げ創出を狙っている。まさにスポーツを「ビジネス」と捉える風土があるのだ。

 日本におけるスポーツビジネス拡大に向けた考え方は、スポーツ庁とも足並みが揃う。

 スポーツ庁では、今後、スポーツを産業として活性化させることを目指しており、2020年には10兆9000億円へとスポーツビジネスの規模を倍増させ、2025年には15兆2000億円にまで拡大する計画を打ち出している。

 スポーツビジネスで得た資金を施設の充実などに回すほか、選手の育成資金としても活用し、スポーツに強い国づくりを推進。これによって、スポーツビジネスをさらに活性化させるという好循環を生む考えだ。

 スポーツ庁では、2020年のスポーツ市場規模の10兆9000億円のうち、スタジアムを核とした街づくりを含めたスタジアム・アリーナ関連で3兆円、アマチュアスポーツ振興で1000億円、プロスポーツの興業収益拡大で7000億円、スポーツツーリズムなどの周辺産業で3兆7000億円、施設やサービスのITの進展とIoT導入などにより5000億円、スポーツ用品の販売拡大で2兆9000億円と試算している。

 「パナソニックでは、スポーツ用品販売を除く、残りの8兆円の市場でビジネスができると考えている。この8兆円の市場を4つの市場に分類して、事業を推進する」という。

 パナソニックが、従来から取り組んでいる映像装置や音響装置、照明機器などのスタジアム向け装置をはじめとするスポーツ関連施設に導入する「物販型ビジネス」、ビデオ判定システムの導入や、4K/8Kを活用したライブサイト、広告配信、Wi-Fi映像配信などの「サービス型事業」、スポーツコンテンツ制作や、それらのコンテンツを生かして選手強化などを図る「コンテンツ型事業」、スマートスタジアムや周辺の街づくりまでを含めた「運営型事業」の切り口からスポーツ事業を展開。その推進組織として、4月1日付けで、井戸役員が率いる東京オリンピック・パラリンピック推進本部内に、スポーツ事業推進部を新設して10人体制でスタート。4月1日に名称変更する社内カンパニーのコネクテッドソリューションズ社(現AVCネットワークス社)や、エコソリューションズ社の商材と組み合わせることで、従来よりも幅広く提案を展開。スポーツビジネスの拡大に挑む。

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