BCGDVは世界で唯一の「デジタル商社」か

 BCGDVは、2014年1月にマンハッタンビーチ(ロサンゼルス)を拠点に創設されました。社内でも立ち上げ当初から大きな注目を集め、日本でも2015年の初めから展開が検討されていたものの、話はなかなか進まず、最終的に私が立ち上げの責任者を拝命したのは2015年の晩秋。パートナーの先輩方の「お前がやるしかない」という言葉に納得して、すぐに、BCGDV創業者CEOであるジェフ・シューマッハに連絡し、翌日には西海岸に飛んでいました。

 それから1年。社員は現在30名を数え、そうそうたる企業の皆様からご関心、お引き合いをいただいたり、いくつかの企業様の事業立ち上げをご一緒できたりもして、総じて良いスタートを切れたといえるでしょう。

世界唯一の「デジタル商社」を日本で始めた理由ボストン コンサルティング グループでのコンサルタント業務の傍ら、BCGDVジャパン立ち上げにこぎつけ、はや1年が過ぎた

 ただし、グローバルのBCGDV は、立ち上げからわずか3年強で社員数は500名以上。売上は非公表ながら、既にBCGコミュニティの中でも無視できない驚異的な規模になっています。この成長スピードを鑑みると、ジャパンも、成長に向けてさらにアクセルを踏まなければと気が引き締まる思いです。

 さて、冒頭で述べたように、「BCGDVって何の会社なんですか?」というのが、まずほぼすべての方に聞かれる質問です。今までの世の中にはなかった、新しい形態の組織なので、最初は説明に四苦八苦していたのですが、開所して1年が経ち、ようやく少しわかりやすい説明ができるようになってきました。

 最近考えているのは、BCGDVは、世界で唯一の「デジタル商社」なのではないかということです。総合商社は私のキャリアの原点でもあるのですが、幅広い産業と連携し、自ら事業を創っていくことで、産業界をリードする役割を担っているのが日本の商社だとすれば、BCGDVはいわばそのデジタル版だと言えると思います。

 つまり、BCGDVはデザインファームでも、デジタルコンサルティングでも、デジタルエージェンシーでも、ベンチャーキャピタルでも、開発ベンダーでもありません。そういった単一の事業を行う会社ではないのです。もちろん、今あげた各事業の要素も持ち合わせていますが、どれか1つの事業に限定されることはありません。つまりは、基本的には何でもアリということです。

 ビジネスモデルにしても、フィービジネスから、成果報酬ビジネスモデル、複数の事業やプロダクトのIP(知的財産権)を保有しているので、そのライセンスビジネス、また事業投資、そして自ら事業を創って稼ぐことまで、いわば事業内容に限界はありません。

 ただ、本来的なミッションは、BCGの持つ大企業との強いリレーションをベースに、大企業が持っている潜在能力をデジタル領域で開花させる起爆剤となることです。多様なビジネスモデルを持つ背景には、このミッション達成のために、多様な手段をミックスして活用する必要がある、ということがあります。

 また、BCGDVのユニーク性を顕著に表わす1つの例として、集まっているメンバーの顔ぶれの多彩さがあげられると思います。