中国に進出する日系企業にとって大きな課題となるのが、自社のノウハウをどうやって効率的に中国の拠点に根付かせるかだ。そのためには、IT化や人材戦略をはじめとする効率的な業務体制の構築が急務となる。Blue Netは、そんな日系企業にサービスを提供する大手として知られている。同社の丁柱董事長に、日系企業が考えるべき「仕組みづくり」のポイントと、事業展開の経緯などを聞いた。

日系企業はなぜ“仕組みづくり”で苦労するのか?<br />キーマン育成から始める「現場密着型」のシステム構築丁柱・深セン市網藍実業有限公司 (Blue Net)董事長。同社は深センを中心とする華南地域において、中国人ホワイトカラー人材を日系企業に紹介する会社の草分け的存在であり、紹介件数もナンバーワンだ。

――中国に進出する日系企業にとって大きな課題となるのが、自社のノウハウをどうやって効率的に中国の拠点に根付かせるかです。そのためには、IT化や人材戦略をはじめとする効率的な業務体制の構築が急務となります。Blue Netはそんな日系企業にサービスを提供する大手として知られています。具体的には、どんな事業展開を行なっていますか。

 Blue Netは、中国の日系製造業向けに特化したITシステム(生産管理から税務会計まで)を一貫して導入するサービス&システム会社として、2001年に創立しました。

 創立当初より、「日系製造業の中国事業をワンストップでサポートしたい」という強い思いがあり、ITに続いて人材紹介、物流、通関・税務コンサルティングサービスなどを提供する会社を大手日系企業との合弁などの形を取りながら、立ち上げてきました。

 現在は、「IT」と「人材紹介」に資源を集中して事業を展開しています。最近では、「日系流通業向け」のサービスも開始しました。これは、日系企業の中国事業展開が大きく変貌し始めたためで、製造業中心からサービス業へ早いスピードでシフトしている現状を踏まえ、新しいビシネスの潮流により早く、的確に対応していくためです。

――中国には、日系の大手システム会社も多く参入していると思います。Blue NetのITシステム事業は、どんな分野で勝負していますか。