別所 はい。ハリウッドでは90年代から、よくショートフィルムの上映会が行われていたんです。実は、5~10分の作品でもシネマチックな世界は成立します。たとえばアメリカの大企業を描いた『カルチャー』という作品。CEOは次々変わっていく。一方、40年くらい勤めている女性がいて……。

板東 読めた!実はその女性がいるから会社がまわっているんだ(笑)。

別所氏が主催する「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2017」は、6月1日(木)~6月25日(日)に開催。同映画祭は今年で19回目を迎え、アジア最大級の短編映画の祭典に成長した。オフィシャルフォトグラファーのレスリー・キーさん(左)とフェスティバルアンバサダーのLiLiCoさん(中央)とともに

別所 その通りです。たった10分程度なのに深みがあるんです。

板東 面白いですね。現在は「電子デバイスの歴史」といった視点で見ると、カメラから万歩計まで、いろんなものがスマホに収斂されていく時期です。もちろん「映像を見る」という行為も。ただし、長い映像は手や目が疲れますよね(笑)。だからスマホではテンポよく見られる短い映像が人気化する。そんななか、10分前後で映画を1本観たような気持ちになれるショートフィルムは、将来的に大きな市場になる可能性があるでしょう。

別所 映画祭への注目度も高まっています。例えばジョージ・ルーカス氏には、1999年の映画祭設立当初から応援していただいています。また、アジアで唯一の米国アカデミー賞公認短編映画祭にもなっていて、グランプリを獲得した作品は、米国アカデミー協会へ、アカデミー賞短編部門のノミネート候補作として推薦されるんですよ。

板東 ジョージ・ルーカスさんとは何か繋がりがあったんですか?

別所 いえ、なかったんです(笑)。南カリフォルニア大学に、彼の学生時代の作品も収録しているフィルムライブラリーがあります。これを見た時「日本で流したい!」と思い、司書のような立場の女性に相談したんです。すると「じゃあ、ルーカスフィルムに連絡しなさいよ――E-mail them.」と言われたんです。そして、もらったアドレスにメールを送ると、先方の広報から返信があり、内容を詳しく伝えると今度はルーカスさんからメールが来たんです。