板東 へえ。すごい。

別所 そんな流れで、「ショートショート フィルムフェスティバル」の初回のアメリカ大使館でのパーティーに、ジョージ・ルーカスさんがサプライズで登場してくれたんです。ちょうど『スター・ウォーズ エピソード1』のプロモーションで来日していた、という偶然も重なったんですが、過密なスケジュールの中、よくいたしてくれたなあ、と。

別所哲也(べっしょ・てつや)/1965年、静岡県生まれ。1990年、日米合作映画『クライシス2050』でハリウッドデビュー。1999年より、日本発の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」を主宰。文化庁長官表彰受賞。内閣府「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」の一人に選出。

板東 やはり、別所さんにはプロデュース能力があるんですね。また、アメリカの映像業界は開かれているんでしょう。

別所 そうです。しかも彼らは意識的に、様々な人間を集めています。私がアメリカで言われ、強く印象に残った言葉があるんです。「日本人はモノづくりは上手だけど、ランキングビジネスと、アーカイブビジネスと、オークションビジネスが下手だね」と言うのです。そして、今後の日本の映像業界では、この3つのビジネスが伸びていくはずなんです。

目指すは世界に注目される
ショートフィルムの市場づくり

板東 詳しくうかがわせてください。

別所 まず、作品数が増えていくと、ランキングが大切になります。何がお勧めかを知りたいのです。私が映画祭を始めた目的のひとつでもあります。また、集まった才能をランキングすることで、突出した何かを発揮できた人には次のチャンスを与え、発揮できなかった人には、何が足りなかったのかを伝える「仕組み」にもなります。

板東 先に話した「ノウフー(Know Who)」ですね。

別所 次は「アーカイブ」。「このショートフィルムは何年に誰が制作し、誰が出演していて、こんなテーマで」とアーカイブできていれば、視聴者側は次々と様々な作品を楽しむことができます。我々は「ビンテージショート」と名付けているのですが――古くは、エジソンがショートフィルムをつくっているんです。そんな歴史的価値のある作品を見てみたいと思いませんか?

 こういったシステムが整えば、オークションビジネスも活発になるはずです。そして、日本にはまだ、ランキングやアーカイブこそが大きなビジネスになる、という思考が根付いていないような気がするのです。