このままでは今国会での
成立が危ぶまれる

「さすがに今では分煙対策が進み、分煙ボックスが設置されていますが、それでも、国会内の各会派の控室や、各議員の事務所がある議員会館の部屋は、それぞれの判断で喫煙できます。また、国会内での分煙は進んでも、政治が動くのは、昼の国会ではなく、夜の会合です。そういう場面では、いまだに愛煙家たちが幅を利かせているのが実態です」

 受動喫煙対策法案を推進する側の塩崎恭久厚生労働大臣は、3月3日の参院予算委員会で、与党議員からの批判的な質問に対して、「妊婦、子ども、がん患者らの健康が、喫煙の自由よりも後回しにされる現状は看過できない」と一歩も譲らない姿勢を見せるなど、情勢は膠着したまま。果たして法案の成立は今後どうなるだろうか。

「厚生労働省が出した修正案に対しても『地方には30平方メートル以下の店はほとんどない』と主張するなど、反対派の議員たちは強硬な姿勢を崩していません。自民党内の法案の改正手続きは、このままいくとゴールデンウィーク頃まで伸びる可能性もあり、場合によっては6月18日に閉会する今国会での成立も危ぶまれます」(鈴木氏)

 現行の健康増進法は、法律上罰則がない「努力義務」にすぎない。日本の受動喫煙防止対策は世界的に見て、最低レベルなのが実態である。

 このような悲惨な現状を覆して、20年の東京五輪に向け、受動喫煙の制限を推進することができるのか。今、日本の政治家たちの国際感覚が問われている。