10年前は、今よりもずっとひどい環境だった。だから「今はまだマシだ」などとは断じて言わない。むしろ、今後本気で働き方をクリーンにするために、今の機運が一過性で終わらず、昔に戻らないために、ここで改めて10年前の信じられないブラックな環境を振り返ってみてはどうだろうか。

 そこで、ビジネスパーソンに「10年前のブラック労働エピソード」を調査。思わず気分の悪くなるような逸話を紹介していく。

先輩より早く帰ってはいけない
「おかしい」と言えない異常な環境

 10年前のブラック労働エピソードとして、やはり多かったのは労働時間に関するものだ。今こんなことをしていたら、問題になるのは間違いないものばかりが聞かれた。

「ベンチャーのIT企業だが、仕事が終わるのは毎日22時頃。そしてその後は、連日飲み会へ強制的に連れ出された。しかも、終電で帰してくれない…。挙げ句の果てに土曜は1日中会議を入れられた」(35歳男性/IT)

「入社初日、新入社員の掟として『絶対先輩より先に帰るなよ』と言われた。それが新人として当然のルールだと教えられた。そして働いてみると、毎日必ず終電まで働いている先輩がいる。そのため、夜12時頃までずっと残った。たとえ仕事が終わっても。一度、先に帰ろうとした新人がいたが、それを見た部長は『礼儀がなってない』と怒鳴りつけていた」(37歳男性/メーカー)

「チーム長の一声で、月2回、金曜の20時からチーム会議をやることになった。週末の、しかも定時終わりに会議をやることが信じられず、ある日、先輩に『大学の飲み会があるのですが、金曜の会議は休めないですよね…?』と聞いたところ、『それは休めないでしょ。プライベートな理由では欠席できないよ』と、当たり前のように一蹴された」(34歳男性/商社)

「期末になると、徹夜は当たり前だった。もはや社員はそれを疑問に思うことさえなく、なかには『私は今回“3徹”したよ』と、3日連続の徹夜を自慢するような風潮さえあった。当然のごとく、体を壊したりすぐに退職したりする人は多かった」(36歳女性/広告)

 さらに、最近は企業だけでなく学校のブラック労働も問題になっている。冒頭のエピソードもそうだが、それだけではない。昨今よく言われる「部活」の問題だ。ある現役教師は、10年ほど前のこんな実情を話した。