「中学の教師をやっていますが、バレー部の顧問になったところ、平日は18時頃まで部活の練習に出て、そのあと溜まっている仕事をするので、学校を出るのは21時過ぎ。翌朝は8時前からまた部活の朝練。そして土日は、部活の練習と試合の引率ですべて潰れます。部活に出ないと、保護者から苦情が来るのでどうにもなりません。土日も、顧問が付き添わないといけない決まりでした。休みはほぼない生活が続きましたね」(36歳男性/教師)

 あまりにも厳しい実態。しかも、これらは本当に「氷山の一角」で、似たような環境の職場は他にもたくさんあったと言えるだろう。

 何より致命的なのは、年配者たちの問題意識が欠如していることだ。上記のエピソードについて、それを良しとしている上司がいる。だからこそ、若い社員が「おかしい」と違和感を抱いても、それを主張できない。そして、その風習に合わせざるを得ない。異を唱えることさえできなかったのである。

“昼飯抜き”が理想の営業マン?
間違った仕事観を刷り込まれた若手たち

 労働時間に関するエピソード以外にも、“問題意識の欠如”を随所に感じさせるものは聞かれた。いわば、先輩や上司からの「教え」「教育」といった部分である。いくつかの話を紹介したい。

「新入社員として研修を受けていたとき、ある役員が『うちの会社は労働時間も長く、世間的にはブラックな企業に入るかもしれない。でも、その環境に耐えてこそ真のビジネスマンだ』と熱弁した。『徹夜してこそ一流だ』と。それだけでもびっくりしたが、他の先輩社員の多くも、そういった考えに心から同調していた。あからさまに『ブラックを受け入れろ』というスタンスだった」(35歳男性/イベント)

「新人として先輩の営業マンに同行したとき、『繁忙期は昼飯の時間を削って営業する。それくらいしないとダメ』と言われた。今ではおかしいと思うが、新人時代は何もわからないので『そういうものなのか』と信じ込んでしまった」(33歳女性/製造)

「新卒採用の面接で、ごく当たり前のように家族構成や宗教関係の質問をされた。さらに驚いたのは、入社してから同期を見ると、特定の出身地が半分を占めていた。また、その会社の中には、ある苗字の人がとても多く、どういった基準で採用しているのか非常に怖くなった。縁故や自分とゆかりのある社員で固めて、ワンマンなやり方を通す社長だった」(38歳男性/販売)