「かなり労働環境が厳しいので、入社1年で辞める人が多い企業だった。自分が新卒で入った時、過去の新入社員の話を先輩が聞かせるのだが、1年目で辞めた社員のことを、ひどい表現で話していた。しかも内容を聞くと、明らかにその社員より会社に問題があった。力仕事が意外に多い会社だが、それは入社前に知ることができない。そして、辞めた社員は『あのくらいで骨折されてもなあ』『体が弱すぎだろ』と言われていた」(35歳男性/メーカー)

 今では信じられないほど、10年前はブラック企業や労働に対するモラルが低かった。そして新卒社員は、最初こそこの労働環境に疑問を持っても、先輩に強く言われれば「社会はそういうものなのか…」と思ってしまう。こうして悪い環境に埋もれていく悪循環ができたのだろう。

残業代を尋ねたら社長が呼び出し
退職強要も多かった時代

 そのほか、給料や日々の業務に関しても、さまざまなエピソードが聞かれた。それらを紹介しよう。

「入社時に、『うちの会社は残業代出ないよ』と先輩に言われた。おかしいと思って気軽に経理部へ尋ねたところ、なぜかその話が社長まで伝わり、社長室に呼び出された。『残業代が出ないと不満ですか?』と問い詰められ、『会社の風紀が乱れるのでそういうことを言うのは止めなさい』と言われた。恐ろしい世界だと思った」(34歳男性/イベント)

「残業代は支給されると聞いていたが、それは1年目だけで、2年目以降は残業代が出なくなるシステムだった。入社してそれが発覚。このため、2~3年目の人は新人より給料が少なくなる事態に…」(36歳男性/IT)

「30人ほどのデザイン会社だったが、新しく入った社員のほとんどは数ヵ月で辞めた。その期間に社長が『使えない人材』だと判断すると、毎日のように夜呼び出して、会社を辞めるよう言い続けた。退職勧奨というか、ほぼ退職強要だった気がする。その中で残った社員は、みな社長のわがままに耐えてきた人ばかりなので、自ずとブラックでワンマンな企業になった」(40歳女性/デザイン)