日本航空社長 大西 賢<br />「現場の意識が着実に変化<br />12年度中の再上場に自信」Photo by Kiyoshi Takimoto

──東日本大震災以降、業界を取り巻く環境は一変した。

 震災前の予想と比較すると、3月は震災後、旅客数は国際線で28%、国内線で26%の大幅減となった。4月は国際線で20%減、国内線で15%減。5月は今のところ、4月より数ポイント回復してきている状況だ。

 いずれにしても今期の減収は避けられない。ただ、旅客の属性によって事情は異なる。

 最も早く回復しそうなのが日本人のビジネス旅客で、これは下期には復活するのではないか。次いで外国人のビジネス旅客。いちばん回復が遅れそうなのは旅行需要で、特に海外からのお客様に関しては今期いっぱいは厳しいと思う。

──前期は予想の3倍近い1884億円の連結営業黒字を確保した。

 前期は、下期から事業規模の大幅な縮小を行った。それに伴い、人件費など固定費削減を進めてきた。「やっていかないと生き延びてはいけない」という危機感を社員が持ってくれたおかげで、想像以上のスピードで改革を進められたことが、予想を上回ったいちばんの要因だ。