「最近の若者は」と嘆く上司はまず自分を省みるべきだ

新入社員が配属されて落ち着いてきた頃になれば、各職場の上司からは毎年のように繰り返される言葉がある。「最近の若者は……」という嘆きの言葉。しかし、嘆く前にまずは自分たちが上司として「正しい行動」ができているかを見直すべきである。(株式会社識学代表取締役社長、組織コンサルタント 安藤広大)

「最近の若者」への
批判の数々

「ゆとり世代はどう扱っていいかわからないですよね」「勘違いしている若い子が多くて困ります」「最近の子は、我慢できないからすぐ辞めるんです」――。

「最近の若者」に対する批判の言葉の数々である。

 私の会社が提供するサービスは、主に経営者、管理者に対しての研修、コンサルであるために いわゆる「最近の若者」とは触れ合う機会が少ない。 新卒採用も実施しておらず、30代が中心であるために、「最近の若者」に実務で触れる機会もない。

 私もサラリーマン時代の経験から、何となくクライアントの皆さまが言うことがわかる部分があると思っている。ただ、一方で、本当に「最近の若者」だけが原因なのかなと思っていた。

 今年の初めに、ある企業からの依頼で、若手社員向けにお話をさせていただく機会があった。 そこで、私は次のような話をした。

 ・評価は人がするもの。自己評価には何の価値もない。自己評価に価値を見出そうとする人は、自らの不足を認識できず成長できない。

 ・組織において、責任者である上司の指示を選択する権利はない。なぜなら、あなたたちは責任を取れる立場ではないから。

 ・「仕事ができる人=評価者の求めることができる人」

 ・モチベーションは会社から与えられるものではない、自らの中から自己発生させるものである

 などのタイトルで、しっかりと理論立てて話をした。