経営 × 採用

500年企業・虎屋が社内に親族は「一人だけ」にする理由

多田洋祐 [ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長]
【第11回】 2017年5月12日
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「入社式」をやっていない理由

多田 採用についてお聞かせください。現在は新卒入社の方が多いのでしょうか。

黒川 そうでもないですよ。虎屋では10年以上前に入社式もやめていますから。

多田 どのような狙いでしょうか?

黒川 年間を通して人材を採用する姿勢を表現したかったのです。入社式は「その年」の新卒社員のために執り行われるものですが、中途採用の社員だって大勢いるわけですから、新卒社員だけを取り上げる式典は辞めようと。現在は、管理職クラスの入社も含め、全体の25%は中途採用です。私が社長に就いてからは、その割合も増えていますね。

多田 何より黒川社長がその姿勢を見せるからこそ、事業の変化へも伝播があったのではないでしょうか。

黒川 社長が何かをひと言告げたからといって、すぐに変わるようなものだとは全く思っていません。2年も3年も同じことを言い続けなければ、変化なんて起こりません。そこまでしてようやく社員から出てくる言葉が「自分が言い続けていたことだ」と変わり始める。その積み重ねを諦めず、何度も何度も言い続けなければなりません。「やり続ける」は自分の信条でもあります。

 社長になってから一貫して、そういった「社員との対話」は、名称や形式を変えながら続けてきました。たとえば「新入社員と社長が語る会」であるとか、「中堅社員と社長が語る会」であるとか、社員があれこれ考えてくれています。8人から10人くらいの社員と顔を合わせて、自分が思っていることをしつこく伝え続けますし、社員からも話を聞きます。伝える対象が変わっても、何年か経つとまた同じような顔付きになってくる。やはり、言い続けなければいけないと思いますね。

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企業における「採用」を考える

多田洋祐 [ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長]

トップヘッドハンターとして活躍後、人事部長として株式会社ビズリーチ入社し、入社時に従業員30人だった組織を4年で500人に拡大させる。現在はキャリア事業のトップとして事業全体を統括し、「ダイレクト・リクルーティング」の日本での本格的な普及に努める。

 


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これまで数々の企業と対話を重ねてきた採用コンサルのプロが企業に横たわる経営課題をトップに直撃、その解決策について議論する。

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