中国 2017年5月8日

中国で大人気だった日本人俳優、小松拓也が
反日デモで仕事を失っても中国にこだわる理由

帰国後もついえない中国人への恩義

 「Team Moshimoshi?」はまもなく第3回公演『3年前の君へ』を上演するが、小松さんはこれまで、時代性にこだわってきた。

 「日中をテーマにした作品は戦争ものが多く、いまのリアルな日本と中国の関係性を描く作品はあまりありません。こうしたテーマは、中国で生活をした経験のある人間でないと、発信できないと思うんです」

 稽古場を拝見したが、確かに中国人と暮らす私が見ても、中国人の描き方にリアリティを感じる部分が多かった。

 過去2回は、出演者は2~3名だけで公演も上海のみだったが、今回は規模を拡大し、出演者は7名。しかも日本でも公演する。今年は日中国交正常化45周年、来年は日中平和友好条約締結40周年の節目にあたるが、同公演は、外務省から記念事業にも認定されている。

 「『日中友好』を口にするのは簡単ですが、行動に移すことは大変です。僕のできることはちっぽけですが、日本国内にもこのエネルギーや思いを伝えていく活動をするべきではないかと思い、日本でも公演したかったんです」

 その思いをダイレクトに伝えるべく、今回は小松さん自らが脚本を書いている。

 中国の通販サイトの個人ショップ内で、服や化粧品などを転売するビジネスを展開し成功する李採妮(サニー)が横浜を訪れていた際、駅のホームから飛び込み自殺を図ろうとする柏木進を助けることから物語ははじまる。二人は公私にわたってパートナーとなり、結婚を誓い合ったところで物語は急転する……。

 ストーリーの着想は、ホームに落下した日本人を中国人が助けたというニュースを目にしたことにあるという。2001年1月、新大久保駅で線路に落ちた男性を助けようとした日本人カメラマンと韓国人留学生が電車にはねられて死亡した事故が広く知られているが、14年1月、東京都東大和市の東大和市駅ホームでも、線路に落ちた男性を立川市に住む中国人・付鴻飛(フー・ホンフェイ)さんが救出した。日本のメディアの取材に付さんは、「人助けは当然の行ないで、名前を残す必要はない。だが、日本人が中国人に抱くイメージを改善させるきっかけになればと思い名乗り出た」と語っている。

 「『加油! 好男児』に出ていた時、自分も中国人に応援してもらい助けられたので、リンクする部分を感じました。だからこそ、今回は中国人を主人公にしたいと思ったんです。自分が一歩下がることで中国人をフィーチャーし、日中友好の象徴にしたいという思いがありました」

 その主演の中国人を、NHK「テレビで中国語」への出演で人気を博した段文凝さんが務める。稽古でもテレビ同様に可愛らしく、堂々とした演技で存在感を示していた。

 出演者は日本人3名、中国人3名、日中ハーフが1名とさまざまなバックグランドを持った役者が揃い、旗揚げ公演にも参加した尾本卓也さんは共同演出も務める。セリフは日本語と中国語が飛び交い(中国語は日本語字幕付き)、テンポよくストーリーが展開していく。

 演劇はひとつひとつのシーン、ひとつひとつのセリフを観客に的確に伝えるため、繰り返し練習するという地道な作業が強いられるが、日本人と中国人がひとつのものを作り上げている光景は、美しくもあった。

演出も務める小松さんは「課題は山積みですが、年1回の公演を目標にしたいです」と語る【撮影/大橋史彦】

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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