写真は2014年、パリで展示された同社の原発プラントの模型(2017年 ロイター/Benoit Tessier)

 建設費用の超過に耐えられず、WHは今年3月、米連邦破産法11条の適用を申請した。親会社である東芝の財務も危機に瀕している。東芝は、WHの統制が「不十分だった」と認めている。

 WHの誤算は、今後10年間で約160基の原発建設を見込む世界の原子力業界が直面する大きな困難を浮き彫りにしている。

 原発業界の問題は実際、WHにとどまらない。フランスのアレバは経営再建中だが、その原因の一端は、フィンランドで建設中の原子力発電所の工期遅延と巨額の費用超過である。

 プレハブ方式による原発建設に実績がなかったにもかかわらず、WHは米電力会社と将来のビジネスを構築するため、AP1000原子炉の建設費用と工期について強気の試算を提示していた。

 また、同社は規制面における障害を軽視し、原子力関係の工事に伴う厳格さや要求水準の高さに不慣れな建設会社を下請けに使っていたことが、規制当局による報告書や、破産申請の提出書類、そして現旧社員に対する取材などを通じて浮かび上がってきた。

「基本的に実験的なプロジェクトだったにもかかわらず、彼らはそれを商業的に成立し得るものだと示さなければならないプレッシャーにさらされていた。そのため、その工期や費用、難易度を大幅に過小評価したのだ」。憂慮する科学者同盟の上級研究者でAP1000型炉に関する執筆や証言を行っているエドウィン・ライマン氏はそう語る。

 WHの広報担当サラ・キャッセラ氏によれば、同社はAP1000原子炉技術に注力しており、中国における同型原子炉の建設を継続する計画だという。さらに、インドなどでの新規原子炉の入札参加も想定していると同氏は語った。キャッセラ氏は、ロイターが提出した詳細な質問リストに対するコメントを拒否した。