スタートのつまずき

写真は2014年、パリの貿易展示会に掲げられた同社のロゴ(2017年/Benoit Tessier)

 ジョージア州とサウスカロライナ州で建設している原発プロジェクトは、2017年初頭までに50万超の家庭や企業に電力供給ができるようになるはずだった。ところが、いずれも竣工すらしていない。

 ジョージア州の原発プロジェクトの半分近い権利を保有する米電力会社サザンとサウスカロライナ州でのプロジェクトの過半の権利を有する電力会社スキャナは、それぞれの査定を進めており、原子炉を完全に放棄する可能性も排除しないと明言する。

「エンジニアリング、調達、建設に関する契約と親会社による保証に基づき、WHと東芝にその金銭的な責任を取らせるため、可能な限りの措置を取り続ける」とサザンは声明で述べている。

 プロジェクトはスタートからつまずいた。

 たとえば、ジョージア州での原発建設に向けて準備を進めるなかで、WHと下請け建設会社は2009年に土台部分の掘削を開始。約275万立方メートルの土砂を排出した。

 だが、土砂を撤去した部分を埋め戻すために使う裏込め材の半分について、規制当局の承認が得られなかった。そのためプロジェクトは少なくとも半年遅れたと、ジョージア州の規制当局のために原発建設を観察していた原子力専門家ウィリアム・ジェイコブス氏は述べている。同氏はロイターのインタビューに応じなかった。

 とはいえ、最大の遅れをもたらしたのは、AP1000型原子炉の革新的な設計と、まだ未知の領域にあった同型炉の製造と建設によって生じたさまざまな試練だったことが、WHの現旧社員、原子力専門家、規制当局者との十数回を超えるインタビューで明らかになった。

 従来の原子炉と違い、AP1000型炉はプレハブ方式のパーツを組み立てて建設する。工場の専門労働者が原子炉の複数のパーツを量産し、それを建設地に運んで組み立てる。マーケティング資料で、WHはこの手法が原電建設におけるスタンダードになると見込んでいた。

 原子炉の各セクション製造は、WH株式の20%を握る米エンジニアリング大手ショー・グループが保有するルイジアナ州レイクチャールズの工場に委託された。ジョージア州とサウスカロライナ州で建設される原子炉の部品はここで製造されることになった。