カメラをかざせば通貨を瞬時に認識!
実は超便利なアプリはたくさんある

「2本指でつまみを回すジェスチャ」と聞くと、iPhoneやiPadの本体を回してしまう人が多いという。そこで、CDを用いて指の動きと力加減をわかりやすく解説

 ちなみに読み上げの速度は「ローター」という機能で調節できるのだが、このローターを表示するための動作が難しいという。Appleのマニュアルには「2本指でつまみを回すジェスチャをする」とあるが、そう説明されてもわからない人が多いため、井上さんはCDを利用して動作のイメージを伝えている。

「70過ぎでiPhoneやiPadを始める人には、タップやスワイプのやり方から教えます。『タップは思い切りやったらダメ。自分の鼻を押すぐらいの軽さで』とか、『スワイプは鼻の頭にある埃を取り払う程度の力でOKです』とか」

 基本操作を教えたあとは、便利なアプリを紹介してゆく。カメラをかざすだけで、紙幣の金額を音声で読み上げてくれたり、「これは夜だけの目薬です」「これは1日2回の目薬です」「これは醤油です」「これはソースです」といった具合に対象物の正体を言い当ててくれるものなど、現在は様々な認識アプリが出ているのだ。

 それらのレクチャーを受けると、多くの受講者は「へぇ、こんなに便利なものがあるんだ!」と言って驚くという。長年のiPhoneユーザーである記者も、知らないことだらけでビックリした。

 ところで、なぜAndroidではなく、Apple製品に限定した授業を行うのか? 

 前出の三宅先生によると、「iPhoneやiPadはまず、前面にホームボタンが1つしかないシンプルな設計で操作も簡単。サイズや厚みなどの変化はあっても、基本的なデザインは何年経っても変わらないので、『せっかく覚えたことが使えなくなった』ということがない。また、ウィルスに比較的強く、カメラの解像度が非常に高いのもメリット。さらに、Apple製品は所有者が多いので、故障やトラブルのときに近くにいる健常者に聞きやすい点も、視覚障害者にとっては心強い」とのことだ。