「元TBS記者からのレイプ被害」を女性が告発、“同意”問題をどう考えるか

 元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏に酒を飲まされ乱暴されたとして準強姦容疑で被害届を出していた女性・詩織さん(28)が5月29日、東京地検の不起訴処分を不服として東京検察審査会に審査を申し立て、弁護士らと会見した。

 山口氏は同日、自身のFacebookで「不起訴という結論が出ました」「私は容疑者でも被疑者でもありません」などと反論している。

 今国会には性犯罪を厳罰化する刑法の改正法案が提出されている。詩織さんの訴えはどのような意味を持つのか。性暴力防止のキャンペーンを行う「ちゃぶ台返し女子アクション」共同発起人の大澤祥子さんに聞いた。

知人からの被害を
実名・顔出しで公表

──詩織さんは、顔と名前を出して会見されました。どう感じましたか?

 まず、詩織さんに対して本当にすごいと思いました。今の日本社会で、実名で被害があったと告白することは、とても勇気がいることだと思います。被害の声を上げた女性に対して、非難の声が上がり責められる風潮がある。そのなかでご自身の被害について話すという決断を心から応援したいと思います。

 知人からの被害を、実名・顔出しで告白したというのも、かなり重要だと思います。実名で顔を出されている性暴力被害者は日本では少ないですが、家族からの性虐待や見知らぬ人からの被害を受けた方がほとんどです。“レイプは見知らぬ人に襲われるもの”という性暴力神話が横行しているなかで、地位関係性を利用して行われる性犯罪の実態に明るみに出していると思います。