日本の「暫定規制値」は
国際的に見れば甘すぎる値

 また、原発から放射され拡散した放射性物質はそのときの風向きや雨などによって、ごく局所的に降り積もることもあります。いわゆるホットスポットを作るのです。ですから、ある畑の作物で問題がなかったとしても、その地域の畑の作物が安心である保障はまったくありません。

 いえ、同じ畑の中でだって、かなり大きな変動があるはずです。つまり、県単位、市町村単位で「安全」という理屈は成り立たないわけです。

 そしてさらに重大な問題は、現在の日本の「暫定規制値」は、国際的に見れば甘すぎる値だということです。

 たとえば現在、厚生労働省が定める食品の暫定規制値は、成人の場合、野菜類・穀類・肉・魚・卵などに含まれる放射性セシウムは500ベクレル/kgとなっています。一方、チェルノブイリ原発事故で被害を受けたベラルーシの野菜の規制値は100ベクレル/kg、ウクライナでは40ベクレル/kgとなっています。これらの基準に比べてみると、日本の基準がいかに緩いかがわかるでしょう。

 いや、これは非常事態の暫定的な値だからしかたないのだという声も聞こえてきそうです。たしかに、WHOが設定した非常事態の基準値は1,000ベクレル/kgです。しかしこれは本当にそれ以外に食べるものがなく、餓死を避けるための、背に腹は代えられないという場合の値です。

 事故からはもう4ヵ月も経ったわけですし、今の日本は餓死を起こすような食料不足の状態ではありません。一体いつまでこんな「暫定」規制値を使うつもりなのでしょうか。