かたや人材のグローバル化は急激に進んでいる。ILOの発表によれば、今後10年の間にインド人の労働人口は1.1億人増大するそうだ。「安い人件費で戦う外国人」vs.「何かとお金のかかる日本人」。世界全体から見れば、ボーナスの存在自体が「日本人の割高感」につながっているのかもしれない。

 私たちにとって、結婚資金や住宅ローンの返済、教育費用などに充てる大切な資金だったボーナス。それは会社から社員に向けた「あなたの未来の幸せを約束しますよ」というメッセージだったのだろう。

 しかし、今やかつてのように一生、高額のボーナスをもらえるとは限らない時代だ。「未来の幸せがもれなくついてくる仕事」は望めなくなった。

 日本人は今後、会社に頼らず、未来の幸せを自分でつかむべきなのだろうか?

 それとも華やかな結婚式や住宅購入といった、従来の成功や幸せの定義を見直すべきなのだろうか?

「金型の受注が増えてきた…?」
中国人の給与が上がると日本にチャンスが戻る!

 そんな時代に襲った、今回の震災。夏のボーナスには大きな影響が出なかったところも、今冬以降はわからない。ここのままでは「ボーナスゼロ」、あるいは「1ヵ月分未満」という会社はもっと増えるのではないか――。思わず暗澹としてしまう北見さんの話だったが、最後に少し明るいニュースを教えてくれた。

「最近、あちこちの金型工場で、一度なくなった仕事がまた舞い戻りつつあるんですよ。中国の人件費が高くなってきていて、日本の工場に発注するのとそう大差がなくなっているらしい」

 この現象はまもなくあちこちの業界で見られるようになるのではないか、と彼は言う。もちろん、そうなれば今起きている「中国発デフレ」は、「中国発インフレ」に変わるだろう。我々の暮らしはますます厳しくなるに違いない。

 しかし、中国をはじめアジアとの賃金格差が縮まることにより、仕事は再び日本に戻ってくるのではないか――と北見さんは読んでいる。中国が第12次五ヵ年計画で、国民所得の倍増を目指していることを考えれば、それは遠い将来ではない。

 いずれにせよ、今後数年間が一番キツイ上り坂になりそうだ。

 さて今後、「一億総“低所得化”」が進むかもしれないこれからの日本社会。

 あなたなら、中国人やインド人に負けないグローバル人材となって、豊かな将来をつかみますか?それとも、低成長時代にふさわしい、身の丈にあった暮らし方を選びますか?