移転賛成・反対派がともにダメ出し
都議選前に追い込まれる小池知事

「もし豊洲から再び築地に再移転するというのなら、それは一番ダメな計画です」

 豊洲移転に反対の論陣を張り、数々のメディアで訴えてきた東京中央市場労働組合の中澤誠執行委員長はこう強調する。

 理由は、「取引業者は、5年後の移転を考えて商売をするなど現実的でない」からだ。日々、厳密な品質管理が求められる生鮮食品を扱っており、1回の移転だけでも莫大な手間とコストのかかる一大事、それを二度もとは受け入れがたい話なのだ。

 移転賛成派のマグロ仲卸業、生田與克氏もツイッター上で、中澤氏のツイートを引用して「だよね」と書き込み、移転賛成派と反対派とが意気投合して反対している。

 さらに市場関係者の間では、小池知事や都当局の真の狙いについて「取引業者をとりあえず一度、豊洲に移転させ、築地再開発はやっぱり無理でした、という結論を出して、豊洲にそのまま押し込むハラではないのか」(関係者)との見方も出ており、不信感は高まっている。

 今回の事態を受けて、小池知事の足元も大きく揺らいでいる。6月23日に東京都議会議員選挙の告示が迫っているからだ。

 告示を前に、豊洲移転賛成派・反対派の両方の思いを汲み、支持率を高めたいとの思惑があったのだろうが、現場の実態からかけ離れた“生煮え”の方針を発表したことで結果は真逆になり、支持を失いつつある。

 最大の敵である自民党東京都連も、これを好機と捉え、「やっぱり決められない知事」と批判を強めている。

 知事就任時から市場移転問題を争点化し、支持を集めてきた小池知事。しかし、それが最終段階でかえって仇となり、自身を追い込む結果になりつつあるといえる。