>>(上)より続く

《離婚した二村弘子さんのケース》
1.夫の年収 2650万円
2.夫の年齢  57歳
3.妻の年収 0円
4.妻の年齢 44歳
5.子どもの年齢 11歳
6.離婚後の母子の住まい 月13万円のアパート
7.子どもの想定進路 
小学校(私立)、中学校(私立)、高校(私立)、大学(国立)
8.個別の事情
養育費の支払はとりあえず夫が65歳を迎える年(子が19歳)まで約束し、それ以降の養育費をどうするのかその時点で再度話し合う。

⇒決定した養育費 養育費と生活費を含めて毎月27万円を19歳まで。

養育費のほかに生活費も
「離婚貧乏」にならずに済む

 二村弘子さんのケースでは子の養育費だけでなく、妻の生活費も(合計で毎月27万円)面倒を見てくれるという太っ腹な約束が成立したのは、夫(57歳)が会社経営者で年収2650万円も稼いでいるからこそ。結婚以来ずっと専業主婦で働いたことがない佳子さんが、離婚後いきなり社会に放り出されたらお先真っ暗。しかし、佳子さんが安心して離婚に踏み切ることができたのは、夫からの仕送りがあれば、佳子さんが外で働かずに暮らしていけるからです。

 一方、50代後半(55歳~59歳)の男性の平均年収は480万円がいいところ。定年間際の老体にムチを打てば、かろうじて子どもの養育費くらいは何とかなるかもしれませんが、「妻の生活費」までは手が回りません。妻も「離婚貧乏」に転落するのは避けたいので、経済的な理由で離婚に踏み出せません。そうなれば、すでに夫婦関係は破綻し、ほとんど口も利かず同じ空気を吸うのも苦痛なのに、今後も仮面夫婦を演じながら家庭内別居を続け、ただただ我慢するしかない絶望的な生活が待っています。

《未婚で出産した山口佳子さんのケース》
1.男性の年収 1200万円
2.男性の年齢 41歳
3.女性の年収 100万円
4.女性の年齢 27歳
5.子どもの年齢 3歳
6.今後の母子の住まい 月7万円のアパート
7.子どもの想定進路 
小学校(公立)、中学校(公立)、高校(私立)、大学(私立)
8.個別の事情
男性は既婚者で妻、14歳の娘、10歳の息子を扶養中(ただし、妻子とは別居)。

⇒決定した養育費 毎月12万3000円を20歳まで。