地域内のライバル観光地が手を組んでみてもうまくいかない理由絶景と温泉では群を抜く平湯温泉だが、観光客の減少に頭を悩ませている 
Photo by Konatsu Himeda

アルプスの“西”と“東”が
タッグ目指し意見交換会を開催

 新宿バスタから濃飛バスに乗って4時間半、飛騨の山奥で観光をめぐる会合の開催に招かれた。題して「乗鞍岳広域意見交換会」。乗鞍岳の東の長野県と、西の岐阜県がタッグを組んで地域連携に取り組もうと、初めて設けられた意見交換の場である。当日は岐阜県側の奥飛騨温泉郷平湯温泉と、長野県側のアルプス山岳郷のメンバー、総勢40人が集った。

「過去には互いの観光地の状況を探り合うような状況で、その関係はライバルにも近かった」と参加者の一人は話す。「だが、平湯温泉側もアルプス山岳郷側も『観光客が減少している』という悩みは同じ」(同)。そこで「山の東と西でタッグが組めるのでは」と会合を開いた。まさに“郷土史に残る劇的な一歩”である。