大地震が起きたとき、どこに避難するか。家族再集結の場ともなる避難先をしっかり確認し合っておくことは、わが家の防災計画の第1条だ。

 避難先には、「広域避難場所」と「避難所」がある。広域避難場所は、大火災から身を守る場所で、大きな公園などが指定される。避難所は、家を失った人や、家にいると危険な場合に身を寄せるところ。小中学校等が指定されることが多い。

 指定場所は、おおむね5年ごとに見直されている。ホームページなどで、念のための再確認をお勧めする。

面積が最大で避難所の適地が少ない大田区
道路条件が悪く、避難所までの距離も遠い?

 公園やグランド、農地、林、原っぱ、まとまった空き地。こうした都市のオープンスペースの割合は、面積が広く土地利用にゆとりのある区では高くなり、逆に人口密度が高く建物が建て込んでいる区では低くなる傾向がある。

 面積最大、人口密度20位の大田区は、オープンスペースの割合が多くなりそうだが、実態は23区の下から5番目に止まる。このため、広域避難場所の適地が少ない。実際、大田区内の11の広域避難場所は、4ヵ所が多摩川沿い、4ヵ所がベイエリア、1ヵ所は目黒区との区境と、その多くが区の縁辺部に偏っている。

大田区――面積は最大でも、避難場所の適地が少ない土地柄に必要な「防災意識」

 となると、避難距離はどうしても長くなる。加えて、大田区は道路率が23区で一番低い。道路条件が悪いと、広域避難場所までの道のりはさらに長くなる。

 23区の広域避難場所は、過去35年間に120ヵ所から189ヵ所に増加した。これに伴い、かつて300kmを超えていた避難道路の指定は、現在20系統、78kmに縮小している。