預金残高2兆円の中堅地方銀行である東京スター銀行は、自宅を担保にして老後資金を借りられる金融商品「リバースモーゲージ」に力を入れるなど独自路線を歩む。4月に頭取に就任した佐藤誠治氏に、今後の方針について聞いた。

東京スター銀行が行員2~3人の「超小規模店舗」を出す狙い<br />Photo by Masato Kato

──新頭取として、まず何に着手されましたか?

 就任した際に、全ての職員が生き生きと働くことで持続的に顧客と社会の役に立ち、さらに組織の利益に貢献できる会社を目指すという目標を掲げました。

 そのための施策の一つとして、今年の4月1日から、業績評価制度を変更しました。営業部門の評価項目において9割を占めていた数字目標を半減し、代わりに、生産性の向上や人材育成のための項目を織り込みました。

 その一つがPDCA(計画・実行・確認・改善)制度です。「仮説」を設定して、現状の課題を解決するために行動する職員を評価しようと仕組みを変えました。

──生産性の面では、業務効率を表す「経費率」が7割を超えており、他行と比較すると高いという印象を受けます。

 当行は、他社で経験を積んだ中途採用者の比率が大きく、それなりの給料を払っているため、人件費がかなり高くなっています。ただ、現時点では、その人件費に見合うだけの収益を上げられていません。そのため、1人当たりの生産性を高めることに注力します。