宮崎といえば、一年を通じて、温暖な気候で、ゴルフや、プロスポーツチームのシーズンオフのキャンプなどでも有名だが、前知事の東国原氏が、2007年に知事に就任して以降、非常に全国的に注目されたのが、宮崎の畜産である。牛も豚も鶏も日本有数の生産高を誇る。今回はそんな宮崎を代表する鶏の名物料理を頂こう。

 今回訪れたのは、新宿にある『たもいやんせ』(都城の言葉で「めしあがれ」という意味)。宮崎出身の四宮(しのみや)さんが店長で、焼酎も食べ物もまさに宮崎の味。特にオーナーの出身の日南方面のものが多い。

調理法も見た目もワイルドな『もも焼き』は
味もワイルドな旨さ

 まずは宮崎を代表する鶏料理、『もも焼き』だ。宮崎のもも焼きは、鶏を皮ごと大きくブロック状にカットして炭火で焼く。そして鶏の表面の脂に煤がつき、黒っぽい外観なのが最大の特長だ。そして、非常に歯応えがある食感も印象に残る。

鶏のもも焼き―本場宮崎の味!豪快な火と煙で仕上げるワイルドな絶品表面を黒っぽく焼きあげるのが『もも焼き』の特長。見た目以上に鶏のジューシーさを感じる食感。

 もも焼きの注文が入ると「ゴゴゴーーー!」と音こそ聞こえはしなかったが、焼き場から、豪快に火が立ち昇るのが見えて、いかにも旨そうな演出だ。

 店長に聞いたところ、炭自体に、あえて鶏の脂を直接落とすように焼くそうだ。これにより、一気に火と煙が出るのと、鶏の脂の香りが煤に混ざって、鶏のジューシーさが増す。実にワイルドな調理法だが、焼き上がりもワイルド。味はといえば、黒っぽい見た目の割にはまったく炭化しきった感じはしない。歯応えがあるのにパサパサせず、鶏のジューシー感があるのはこうした焼き方に秘訣があるのだ。