小池都知事は「東京版金融ビッグバン」を秋に宣言できるかPhoto:日刊現代/アフロ

遂に公表された構想骨子
公約実現に向けた第一歩

 東京都の小池知事は、6月9日の定例記者会見で「国際金融都市・東京」構想骨子を発表した。小池知事は、昨年7月の都知事選挙の際に、「金融先進都市」「環境先進都市」を軸とする「スマートシティ」を公約に掲げており、今回の構想骨子は公約の実現に向けた第一歩という位置付けとなる。

 5月の連載で、今回の構想骨子の策定に大きな役割を果たした「国際金融都市・東京のあり方懇談会」(以下「懇談会」)が画期的であることについて詳細に説明した。東京都は、これに加えて、昨年12月に「海外金融系企業の誘致促進等にかかる検討会」(以下、「検討会」)の結論を踏まえて「海外金融系企業の誘致促進等に向けた当面の対応」を纏めている。

 そこで取り扱われたテーマは、金融ワンストップ支援サービスの拡充、英語解説書の整備、外国人の生活環境整備など、いわば「周辺部」のインフラ整備などだ。今回の構想骨子は、これら2つの「検討会」「懇談会」の両方の提言を踏まえた総合的な戦略となっている。

 先日行われた東京都議会選挙で小池知事が実質的に率いる「都民ファーストの会」が大躍進を遂げたこともあり、東京都が推し進めている国際金融都市構想についても、小池知事のリーダーシップの下で政府との連携が進むと期待される。東京都の成長戦略は日本の成長戦略にとっても極めて重要であるからだ。