多くが中古車関連の仕事に携わる

 店に足を踏み入れるとスパイスの香りが充満し、パキスタンの公用語ウルドゥー語で書かれたメニューや、装飾を施した名物のデコレーショントラック(デコトラ)やイスラム礼拝所「モスク」の写真が飾り付けられていた。現地のテレビ番組も映され、約4年前までパキスタンに駐在した経験がある記者にとっても、パキスタンにある料理店そのものの風情だった。

 経営するザヒッド・ジャベイドさん(51)は「日本人向けのアレンジは一切していません」と強調する。コメや肉、調味料、スパイスなどできる限りを母国から仕入れている。

ジャベイドさんお勧めの一つマトン(羊肉)カレーの「マトンアチャリ」(手前)と無発酵パン「ロティ」。口に運ぶと、本格的な味で美味しかった

「うちの店はパキスタンの味、そのままです。多くの人が美味しいって言ってくれます。辛すぎるということはないですよ。レッドチリ(赤唐辛子)はお腹を壊しちゃいますから、入れません」

 この周辺に住むパキスタン人は150人ほどという。パキスタン料理店は、八潮のほか草加などその周辺に5、6件あり、八潮駅の近くにはモスクもある。

 パキスタン人のほとんどが中古自動車に絡む仕事に携わっている。八潮やその周辺には中古車のオークション会場がいくつかあることで1990年代から集まり始め、今では中古車販売だけでなく、解体業や部品を専門に扱う人など関連した仕事に携わる人もいる。オークションでは普通の中古車店よりも数倍、車を安く購入ができ、買った車を国内のほかパキスタンやフィリピンなど海外で売っている。

話をするザヒッド・ジャベイドさん