私語全開のトンデモ派遣社員が仕事内容の変更で見せた意外な貢献私語が多い社員や派遣社員に何度も注意!でも状況が改善されなかったことはありますか?(写真はイメージです) 

 あなたの周りに、仕事ができなさそうに見える上司・同僚・部下はいませんか?そのような人たちに対して、あなたは腹を立てているかもしれません。でも、本当に彼らをきちんと理解できているでしょうか?

 実はそんな『トンデモ社員』こそ、会社を救う存在かもしれないのです。

 旅行代理店にかつて勤めていた女性Aさんが10年弱勤務して主任になった頃、20代そこそこのトンデモ派遣社員が隣の部門に入社してきました。派手好きで、よく蛍光色の服で出勤してくる女性だったことから、Aさんは陰で「ピンク」とあだ名をつけていました。

 ピンクは明るくていいのですが、とにかく甲高い大きな声で話すのでAさんにとってはうるさく、しかもほとんどが私語。困ったことに、若い男性社員がその無駄話に付き合ってしまうものだから、ピンクは仕事がなかなか進んでいないようです。

「飲み屋じゃないんだから!」とAさんは、耳をふさぎたくなりながらも、少し遠く離れた机の「島」をイヤそうに見ていました。

 コンピュータデザインの専門学校を卒業したピンクは、国内旅行のパンフレット作成を担当していました。ピンクはムードメーカーですが、仕事が手についていない時間が多いこともあり、進行は早くありません。チームで業務を行っているため、結果的にパンフレットは完成していても、傍目から見るとピンクの作業分はとても少ないようです。まだ入社して日が浅く慣れていないこともあり、それでも許されていました。