ランチ後に昼寝をするブラジル人は
単に怠け者なのか?

 私は大学在学中に、ブラジルに1年滞在した。あるとき、ブラジル企業に勤めるブラジル人に自宅でのランチに誘われ、一緒にランチをした。その後、「自分たち夫婦は昼寝をするが、君はどうする」と聞かれ、眠くはないが付き合うしかないと思い「自分も昼寝をする」と答えたのだが、不思議に思って「なぜ、昼寝をするのか」と聞いてみた。その答えは、「その方が、パフォーマンスが上がるからだ」というものだった。

 聞けば、ブラジルではほとんどのビジネスパーソンが昼休みに自宅に帰り、ランチをして、昼寝をして再び出勤してくるという。最近連絡をとった別のブラジル人のビジネスパーソンにも聞いたが、現在でも同様の状況だという。

 当時の私には、「パフォーマンスが上がるから、昼寝をする」ということの意味が全くわからなかった。帰国してその話をした日本のビジネスパーソンの反応は、「のんきな国だ」「昼寝などしているからブラジルよりも、日本が発展しているのだ」という意味のものがほとんどで、私自身もそう思っていた。

 しかし、今ならば、昼寝をする意味がわかる。昼休みに2時間30分もかけて、昼寝をして、労働時間が短縮されるマイナス効果よりも、パフォーマンスが上がるプラス効果が高ければ、そうすればよい。通勤時間が大幅に違う日本の場合は、簡単に自宅には帰れない。だから、職場で休憩するなり、職場の近隣でリフレッシュするなどの方策を考えればよい。

「残業や土日出勤の解消は、働き方改革のトレンドだったり、今日の社会の慣習だったりするから、やらざるを得ない」と考えている経営者がいたとすれば、大間違いだ。パフォーマンスを上げるためには、ストレッサーを解消することが、何よりの近道なのだ。ストレッサー解消のために、実施した方が良いということを経営者が肌感覚で模索していかなければ、人に起因するストレスは解消されず、ひいては、働き方改革は浸透しないだろう。