パナが住宅事業の大手術に非エリートの社長を充てた理由Photo by Shinichi Yokoyama

この4月1日より、パナソニック・グループで、住宅関連のビジネスを一手に担うエコソリューションズ社は、過去の路線を否定するかのような戦略の転換に乗り出した。なぜ今、同社にとって大手術が必要なのか――。1978年、旧松下電工で最弱小の部門だった時計事業部に入社した北野亮氏は、「社長になるには最も縁遠いところから社会人生活が始まった」と笑って語るが、松下電工時代は歯に衣着せぬ直言とブルドーザーのような行動力で一目置かれた存在だった。パナソニックの津賀一宏社長から改革を託された北野社長とは、どのような経営者なのか。現在も進行中の改革の手応えなどを聞いてみた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部・池冨 仁)

――2015年度と16年度の業績は減収減益を続けました。目下の最大の課題は、今期は増収増益に転じるかどうかになります。

 相応の手応えを得ています。

 7月31日に発表した17年度の第1四半期決算(4~6月)は連結売上高3612億円(前年同期比3%増)、営業利益54億円(同2%)となりました。今期の通期予想は、連結売上高1兆6200億円(同5%増)、営業利益720億円(同12%増)で、達成できると考えています。17年度以降は、増収増益に舵を切ります。

――社長に就任後は、どのような意識改革に取り組んだのですか。

 これまで、「連結売上高のトップラインを伸ばすためには、まずは投資が必要だ」という考え方でしたが、これを改めました。社外の目を意識してトップラインの伸びを重視するのではなく、まず利益にこだわる方針へと切り替えました。社内には「固定費を管理することで限界利益率を上げ、全体の利益の積み上げを図る」と強く打ち出している。これは数学の話ではなく、足し算と引き算が中心の算数の話です。

 第1四半期決算は、配線器具などのシステム製品や水回り製品が好調な一方で、太陽電池事業は販売不振が続きました。低迷事業をその他の事業全体で補った形です。社内では、利益視点で考える“不等式の経営”という言い方をしています。