聴衆の「期待」を上手にコントロールするプレゼンテーション

アクセンチュアで爆発的に増えた講演の機会

 1996年にボストン コンサルティング グループ(BCG)からアクセンチュアに転職して、新しい表現の「場」が生まれました。それが「書籍(本書き)」「寄稿(記事・論文書き)」と「講演」でした。

聴衆の「期待」を上手にコントロールするプレゼンテーション

 上司の一言から『CRM~顧客はそこにいる』を共著者として書いたのが1998年末。日本で初めてのCRM(*1)解説書として、その後の増補改定版(2001)も含めれば4万部を超えるベスト・ロングセラーになりました。

 この執筆がキッカケで、そのテーマでの寄稿やらプレゼンテーション(講演)を大量に引き受けることになったのです。

 ただ、もともと本自体、その直前に始めていた「CIO(*2)向けCRMセミナー」から来ています。そのセミナー向けにつくり込んでいたプレゼンテーション資料やそのときのしゃべり(トーク)をそのまま書き下したものが、『CRM』でもありました。だから、CRMテーマでプレゼンテーションをすることにはなんの問題もない……はずでした。

*1 Customer Relationship Management 顧客関係マネジメント
*2 Chief Information Officer 最高情報責任者もしくは情報統括役員