2008年9月15日のリーマン・ブラザーズ破綻から3週間強。アメリカでの緊急経済安定化法案に纏わる、アメリカ議会、そして市場の大混乱を経て、世界はようやく危機に対する国際協調に向けて動き出します。

G7で確認された
金融安定化に向けた国際協調

 2008年10月8日、世界各国の中央銀行は協調利下げに踏み切りました。

 FRB、ECB、イギリス、カナダ、スウェーデン、スイスがそれぞれ政策金利を0.5%引き下げ、その結果各国の政策金利が、それぞれアメリカ1.5%、ユーロ圏3.75%、イギリス4.5%、カナダ2.5%、スウェーデン4.25%、スイス2.5%となりました。また、中国とアラブ首長国連邦の中央銀行も、同じタイミングでこの協調利下げに加わっています。既に超低金利が続いていた日本は、この協調利下げには加わらず、金融市場に対する資金供給の拡充で協力するとしました。

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 そして、この協調利下げの2日後の10月10日には、G7が開かれました。そこでは、国際協調に向けての行動計画が示されています。

その主な内容は、

・金融システム上の重要性を有する金融機関を支援し、その破綻を避けるため断固たるアクションを取ること

・信用市場および短期金融市場の機能を回復し、銀行その他金融機関が流動性を確保するため、すべての必要な手段を講じること

・銀行やその他の主要金融仲介機関が信認を取り戻し、家計や企業への貸出を継続するべく、必要に応じて公的資金、民間資金双方により資本増強することができるようにすること

 といった、資本主義の根幹を成す金融システム安定化に向けた協調策で、主要国が一致団結して危機に対応することを明確化する意味で、非常に大きな一歩となりました。

 こうして、主要国での金融安定化に向けた取り組みや、経済正常化に向けた政策的後押しは、国際社会の中でのコミットメントとして重要性を増してくることになったのです。