ビジネスでも「話が長いのにオチがない」会話がダメな理由

優れたビジネスマンは、総じてコミュニケーション能力が高い。会話も楽しいし、プレゼンテーションもわかりやすく、「なるほど」と共感を得ることも多い。とはいえ、コミュニケーションほど難しいものはないのだが、意外にもシンプルな心構えをしておくだけでも、あなたのコミュニケーション能力やプレゼン能力は飛躍的に高めることができる。(アクセンチュア マネジング・ディレクター 中野豊明)

関西人が指摘する
「話が長いのにオチがなかった」関東人の話

 テレビなどでたびたび取り上げられているが、関西人が関東人と話をした際に、「長々と話を聞いたにもかかわらず結局オチがないことにがっかりした」し、場合によっては「フラストレーションがたまった」という類の話を聞いたことがないだろうか。

 私も社内の人間や関西の顧客との何気ない会話の中で同じような話を聞いては、大笑いした後に妙に納得することがよくある。

 私は関東出身なので、常に笑いが取れるオチを考えながら話をすることは苦手なのだが、もし、ビジネスの場で、似たようなことが頻繁に発生しており、しかも、そのフラストレーションの対象が自分だとしたら、あなたはどう思うだろうか。

 我々コンサルタントは新卒、経験者採用を問わず、入社すると同時にさまざまなトレーニングを受ける。社内のルールに関するものだったり、プロジェクト管理、システム開発の方法論だったりと、多種多様に渡るトレーニングをそれこそ雨あられのように受講するわけだが、私のように入社後二十数年経った人間にとっても、重要なトレーニングテーマの一つがコミュニケーションである。

 例えば、自分と相手の「感情面と自己主張のタイプ」を判断し、相対的にどのようなコミュニケーションを心がけるとより共感を得やすいのかを学ぶ「ソーシャルスタイル」を用いたものなどは、代表的なコミュニケーションに関するトレーニングの一つだ。