今年、おじさんのメールやLINEの特徴を模した「おじさんLINEごっこ」なるものが、女子高生の間で流行したのは記憶に新しい。「単なる一時の流行」と無視するのは簡単だが、若い女性が「おじさんだなー」と引いてしまうポイントがどこにあるかを知れば、世代間ギャップの根っこが見えてくるかも。(清談社 藤野ゆり)

ムダに絵文字・顔文字を乱用し
語尾は「~かな?」「かい!?」で締める

女子高生「おじさんLINEごっこ」の実例に学ぶキモがられる態度とは

 若い女性、主に女子高生たちの間で流行した「おじさんLINEごっこ」。友人同士で相互に“おじさん”っぽいLINEを考えて送りあう遊びで、さらにそのおじさんLINEごっこのスクリーンショットを投稿する人が続々と現れ、TwitterなどSNS上で拡散されている。

 では「おじさんLINE」とは、一体どういうものなのか。まず下の画像を見てほしい。これはどちらも若い女性が作って友人に送っている「おじさんLINE」である。言語化するのは非常に難しいが、なるほど、たしかにどう見ても「おじさんっぽいLINE」だ。

 まず特徴としては、とにかく鬱陶しいほど絵文字、顔文字をつけること。一文が終わるごとに、絵文字、顔文字を乱用し、「?」や「!」などの感嘆符も、いちいち絵文字に変換する。絵文字を多用するので、受け取った相手はテンションの高さに、引き気味になることは間違いない。

女子高生「おじさんLINEごっこ」の実例に学ぶキモがられる態度とは女子高生に気に入られたい一心で絵文字を多用し、一方通行的な独白をしてしまうおじさんたち。そんなおじさんのイタさは、「おじさんLINEごっこ」で遊ばれてしまうのだ

 また、投稿を見ていると、おじさんが使いやすい顔文字や絵文字が一定数あることもわかる。おじさんしか使っていないような絵文字、顔文字を使用することで、一気に文章中のおじさん濃度が上がるのだ。

 また、おじさんたちは、1つのLINEの中に問いかけを挟みたがり、その語尾は「かな?」「かい?」など、おじさん特有の言い回しとなることが多い。しかし、その疑問の多くは、ひとりごちているかのようなテンションで、質問というより、もはや挨拶。手紙でいう「暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか」のような定型文に近い。そこに手紙文化で育ったおじさんっぽさや、自分たちとの乖離を、若者は感じるのではないだろうか。