事業仕分けで見直しとされた公務員宿舎が、着工されたことが先の国会で論議となった。

 口火を切ったのが、9月15日の渡辺喜美みんなの党代表の質問。ついで、塩崎恭久元官房長官が続いた。

建設は中止して売却し
復興財源にあてるのが筋

 安住淳財務相は「全国の宿舎の廃止・集約で15%削減する。朝霞宿舎の着工だけを見て、公務員はぜいたくをしてけしからんという見方にはくみしない」と建設の正当性を主張し、財務相時代に着工を指示した野田首相は、公務員宿舎の売却益を復興財源に充てるとして、着工計画を「特段変更するつもりはない」と反論した。

 財務省は埼玉県内の公務員宿舎1000戸分を廃止・売却して120~130億円の売却益になるので、朝霞宿舎に集約することで朝霞建設の費用が110億円としても10~20億円の利益が出て復興財源に回せると反論する。さらに、2009年11月の事業仕分けでは、「検討を踏まえ実施する」が、「それまでの間、凍結」されていたので、外部の有識者を入れて財務省内の「検討」によって、2010年12月に「凍結」が「解除」され、2011年9月1日に着工したのだという。

 国会論戦で、被災者より公務員宿舎なのか、という議論が出てきて、民主党内からも反発が出てきた。野田佳彦総理は、10月3日、わずか10分間程度のパフォーマンス的な現場視察を行った後、5年間、事業の凍結を安住財務相に指示した。

 ブレる野田総理に対して政治的な批判があるが、今回の「凍結」というのは「中止」ではない。本来ならば、巨額の復興財源が求められる中で、公務員宿舎の建設計画は中止し、出来る限り国有財産を売却して、復興財源にあてるのが筋だ。今回の結論は単に「凍結」して先送りしただけにすぎない。