一方、昨年6月、同社への別の天下りが、庁内においてさえ波紋を呼んだ。東京都総務局長が、同社の常務ポストに2代続けて天下ったからだ。ちなみに、常務の退職金は、約1100万円(非公表)とされる。

 東京都総務局は、現役職員の人事だけでなく「退職後の再就職先を取りまとめる立場で、都庁のヒトを牛耳る主要局」(都庁幹部)だ。2人の天下りについて、同局は「規定に基づく東京都としての知事を含めた組織的決定」と言う。

 しかし、別の都庁幹部からは「表面上はどうあれ、実質的に自分の天下り先を自らの手で判を押すという自作自演ではないか」との批判とも、やっかみとも取れる声も聞こえる。

巨額の大赤字を出しても
責任問われず“わたり鳥”

 首都高速大橋ジャンクションに隣接する目黒区大橋地区の再開発事業は、近年における東京都の大失策として刻まれた。

 東京都都市整備局が担ったこの事業は、大橋地区の都有地7200平方メートルを42階建てマンション用地として販売する計画だ。

 ところが08年、東京都は190億円で公募をかけるも応札者は皆無。わずか2ヵ月後に、半値以下の79億円までダンピングし再入札を行うが、これも買い手がつかなかった。そして、一昨年、ついに「予定価格なし」という再々入札により、ようやく買い手がついた。

 その額はなんと19億円。バナナ売りの露店でもやらない当初予定の10分の1でたたき売ったのだ。東京都は用地買収費などで約79億円を投じたため、差し引き約60億円もの大赤字だ。

 これが民間企業なら、責任者は、その後の栄達なぞ望めるはずもない。ところが、だ。当時の責任者たる都市整備局長は、公益財団法人「東京都公園協会」(今年度の役員報酬平均約1196万円)の理事長に天下り。さらに昨年、今度は財団法人「東京都新都市建設公社」(同約1263万円)の理事長へとわたった。