革命的なコンピュータを生み出し、アップルを瀕死の状態から米国最大の時価総額を有する企業に復活させた──。

 米国大統領やライバル社の有名経営者など、世界中が弔意を示す、スティーブ・ジョブズ。その人生はまさに波瀾万丈だった。

 1955年、アップル創業者スティーブ・ジョブズは米国で生まれる。

 71年、高校生となったジョブズはスティーブ・ウォズニアックに出会う。2人は電話が無料でかけられる装置などを不正に作って遊んだりしたという。

 72年にリード大学に進学するが半年で退学。ヒッピーのような生活を送った後、74年にゲーム会社アタリで働き始める。

 当時、一部のマニアがコンピュータを自作し始めていた。ジョブズはパーソナルコンピュータ時代の到来を予感し、ウォズニアックの開発したコンピュータを商品化しようと考える。

 76年、2人はアップルを創業し、「AppleI」を発売する。ジョブズ家のガレージで製作したAppleIは150台以上が売れ、「AppleII」の開発へとつながる。

 この頃の製品にはすでに、ジョブズのこだわりが満載されていた。たとえば、ステレオ機器にヒントを得てプラスチックを筐体に採用、内部の配線の見え方にまで配慮が行き届いていた。

 AppleIIは発売後すぐに300台が売れ(その後通算で200万台以上が売れた)、アップルは急成長のとば口に立った。80年に株式公開し、ジョブズは24歳にして大金持ちになった。