このように、一見すると消費税増税実施派の安倍首相と、反対派の小池代表、枝野代表という構図にも見える。だが、どちらが勝っても厳しい緊縮政策は回避されそうだし、安倍首相は増税再延期の“伏線”も用意しているようだ。

 景気を悪化させかねない性急な緊縮財政は避けるべきだ、と考えている筆者としては、とりあえず一安心であるが、消費税増税について考えてみたい。

景気は税収という
“金の卵”を産む鶏

 財政再建は、もちろん長期的には望ましいことであるが、決して急ぐ話ではない。別の機会に詳述するが、国内投資家にとっては日本国債を購入するインセンティブがあり、彼らが日本国債を買っている限り財政は破綻しないからである。したがって、予見可能な期間内に財政破綻が現実味を帯びたり、日本国債が暴落したりするとは考えにくい。

 遠い将来に万が一、投資家たちが日本国債を買わなくなったとしても、何とかなる。それは、猛烈なドル高と国債流通価格の暴落が生じるので、政府が保有する巨額の外貨準備を高値で売却し、暴落している日本国債を安値で買い戻すチャンスとなるため、混乱は収束できるからだ。

 一方で、性急な財政再建で景気が腰折れをしてしまえば、税収が落ち込み、景気対策も必要となり、むしろ財政が悪化してしまう可能性さえ否定できない。

◆名目GDPと税収の推移

 上図は、過去の名目GDPと税収の推移である。両軸の目盛りは10倍でそろえてあるので、「税収の振れ幅」が「名目GDPの振れ幅」を増幅したものとなっていることが容易に読み取れる。このように、税収にとって景気は非常に重要なのである。