欧州ディーゼルショックで煽りを食ったスバルとホンダの進退日本仕様のガソリンエンジンを搭載したフォレスター(2.0XT EyeSight) Photo:SUBARU

スバルとホンダがDE車を見直し
欧州「脱ディーゼル化」の波紋

 スバルは9月上旬、2020年までにディーゼルエンジン(DE)車の生産・販売から撤退する方針を固めた。現在はフォレスター、アウトバックに2リットル水平対向DEを搭載し欧州を中心に販売しているが、次期モデルはDEの搭載をやめる方針だ。また、ホンダも英国工場で生産しているCR-VのDE車を生産中止にする方針。欧州の乗用車新車販売台数は約半数DE車(16年)だったが、最近はDEへの風当たりが強い。

 スバルは世界初の水平対向DEを08年に実用化し、欧州市場に投入した。技術的評価は高く、とくにドイツはBMWのDE車などと並ぶプレミアムDEという位置付けを得ている。しかし、生産基数が少ないためコストが割高になり、スバルが意図したほどの販売台数にはなっていない。また、近年は欧州でのDE排ガス規制強化により、生産コストの上昇が避けられなくなった。これも撤退の理由と思われる。オーストラリアに出荷されているDE車は、2020年度をめどに打ち切る方針。

 ホンダも欧州でのDE車生産・販売を段階的に縮小する方針だ。英国工場は生産台数の約20%がDEだが、このうちCR-VのDEを打ち切る。シビックとアコードはDE需要があるので生産・販売を継続するが、25年までには欧州販売車の3分の2をハイブリッド車またはEV(電気自動車)に切り替える方針をすでに打ち出している。