ブラックバイトは下火に?学生はどこで労基法の知識を得ているか民間や自治体等の「出前授業」で、働き方のルールを学んできた学生たち。みなさんの職場ではアルバイトから賃金に関して訴えられたことはないか?(写真はイメージです)

店舗の営業時間が長く、長時間労働が常態化する飲食業。以前、テスト前であれ、夏休みであれ、人手不足の穴埋めを当たり前のように学生を酷使させ、社員並みの仕事を押し付けられる「ブラックバイト」が横行したが、学生たちもブラックバイトに騙されてばかりではない。その背景には、数年前から生徒や学生が就職やアルバイトをするうえで、知っておいた方が良い働き方のルール(労働条件通知書、最低賃金、有給休暇、パワハラ、セクハラ等)や年金制度について、民間企業や自治体等が「出前授業」と称して教えるようになってきたことにある。学生たちは出前授業で学んできた知識を活かし、バイト先で責任者に訴えるケースも出ている。そこで今回は実際に起こったバイトの賃金に関する事例を紹介したい。(社会保険労務士 木村政美)

<登場人物>
A:甲社(物流会社)営業部長
B:乙社人事総務部長。複数の飲食店を展開している
C:開業社会保険労務士
D:乙社丙店で最近入った高校生
E:乙社丙店の高校生。高校生のバイトのなかで勤続年数3年目と一番長い

 A、B、Cは共に大学時代の同級生で今年40歳。仕事ではまさに脂が乗った時期である。お互いに多忙だが、3年ぶりに再会、居酒屋で盛大に?「プチ同窓会」を開いていた。

仕事終了後の
「課外授業」が懐かしい?

A:「ヨーッ!B君、久しぶり。今日は残業なかったの?」
B:「ああ、何とか仕事は片付けてきたよ」
C:「B君が勤務してる会社って、昔から残業多いよね?」
B:「全くだよ。しかし最近は事情が変わって残業が随分減ったよ」
A:「どうして?」
B:「昨年の暮れに世間を騒がせた電通事件の影響なのか、うちの会社にも労働基準監督署の調査が入ったんだ。結果、時間外労働の多さを改善するように言われたからさ」
C:「へぇーっ……。それで改善できるんだったら最初からそうしておけばいいのに……」
B:「各店舗の店長の頑張りでムダなところを見直したことで、結果的にはよかったよ。でもさあ、会社って、今は『残業するな!』ってうるさいけど、俺たちが若い頃はバリバリ残業していたよな?」