10月31日、日本経済の拡大が続き、欧米の中央銀行が金融政策の正常化に踏み出す中でも、日銀は短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする現在のイールドカーブを堅持し、緩和効果の強まりを待つ姿勢を鮮明にしている。写真は日銀本店、2016年9月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 31日 ロイター] - 日本経済の拡大が続き、欧米の中央銀行が金融政策の正常化に踏み出す中でも、日銀は短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする現在のイールドカーブを堅持し、緩和効果の強まりを待つ姿勢を鮮明にしている。

 為替への影響は未知数としたが、「粘り強い」緩和政策のスタンスを打ち出すことで、1%未満で推移する物価上昇率の押し上げに期待する姿勢だ。

 世界経済は低インフレと景気回復が共存する「ゴルディロックス(適温)状態」と、市場関係者の多くが楽観視している。

 その中で、欧州中央銀行(ECB)が26日の理事会で、来年以降の資産購入量の半減を決めた。

 金融政策の正常化で先行している米連邦準備理事会(FRB)は、利上げの継続とともにバランスシートの縮小にも着手。金融正常化に踏み出した米欧中銀に対し、大規模緩和の継続を強調する日銀のスタンスが際立っている。

米欧に比べ根強いデフレ心理

 31日の会見で、黒田東彦日銀総裁が指摘したのは、曲がりなりにも物価が1%台半ばから後半で推移する米欧と、1%にも満たない日本との違いだ。

 黒田総裁は、多様な要素が影響としているとしつつ、1998年から2013年までの「長いデフレ」で醸成された日本社会に内在するデフレマインドの作用にも言及。「成長予測がしっかりしていれば投資、人員採用、賃金引き上げがあり得るが、低成長デフレが続き、なかなか将来について強い期待が持たれていないのかも知れない」「そういった将来の成長期待がもう少ししっかりしてくると、投資、採用、賃金引き上げ、価格も上がるが、まだそこまで至っていない」と述べた。