倉庫にないワインが欲しければ、買い付けてきてもらうという手もある。BBRの倉庫にワインを所有したら、あとは、行く末をしばし見守る。保管料は年間1ケース(12本)12ポンドとリーズナブルだ。

 その先をどうするかは、BBRのエキスパートに相談するのがひとつの方法。あるいは、インターネット上のBBRのサービスを活用する手も。

 顧客のワインリスト、ワインの解説、テイスティングコメント、パーカーポイントをはじめとする評価、さらに、現在の価格、価格変動の推移など、およそ必要とおもわれるデータが管理できる。

 自分が所有しているワインを買いたい人がいるのかもわかるし、売りに出すこともできる。ファインワインのマーケットプレイスとしては、世界最大の規模だろう。ちなみに、売買が成立した場合は、取引額の10パーセントをBBRに支払う。ワインを飲みたくなった場合は、BBRが定期的に船便をだしているから、そこにつんでもらうといい。

 

BBRのワインを保管するのはハンプシャー州ベイジングストークにある最先端の倉庫で、30万ケースのワインを貯蔵可能だという

 

時におもいをはせる投資

 いくつか投資にあたってのヒントをBBRのセールス・エグゼクティヴ酒井亜希子さんにうかがった。ボルドーであれば、やはりプリムール商戦が加熱する5月から6月、ブルゴーニュであれば1月が新作が動くタイミングとなり買い時である。すでに高い評価を得ている生産者のワインを買うのが、王道だ。

 とはいえ、ボルドーならば1級シャトー以外にも2級やスーパーセカンドとよばれるワイン、5級の「ランシュ・バージュ」、ブルゴーニュならば近年、将来性を高く評価されている、オリヴィエ・バーンスタインのような若いホープに票を投じるという手もある。シャンパーニュであれば、良いヴィンテージのドン ペリニヨン、クリュッグ、クリスタル等。イタリアのスーパータスカンやバローロも投資の対象になる。

 いずれにしても、こういった大物を買って、5年、10年と時を重ね、花開き、価値を高めてゆくワインに思いをはせるのは、なによりロマンチックだ。

 もちろん、タイミングを読み、ぐっと熟度がたかまって価格があがる直前のワインを買い、価格があがったらすぐ手放すというダイナミックなゲームに興じる手もある。

 成長している分野とはいえ、ワイン投資はまだまだ、一部のひとの楽しみだという。なんとももったいない話ではないか。

 セントジェームズのワイン商とともにおこなうこの投資、趣味性の高さが洒落ているとはおもわないだろうか?
 

鈴木文彦
パリ ソルボンヌ大学でフランス文学を専攻。研究テーマは19世紀のダンディズム。翻訳、雑誌への寄稿、編集、青果のマーケティングを経て、現在は、ワインを食や暮らしのなかに位置づけて提案する雑誌『WINE-WHAT!?』副編集長。

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