希望の党が「小池の党」「第二民進党」から脱皮するための条件小池百合子氏と話す、希望の党の玉木雄一郎新代表 Photo:日刊スポーツ/アフロ

希望の党は共同代表選挙により、新代表には玉木雄一郎衆院議員が選出された。一方、突然の小池氏代表辞任の発表には驚嘆の声や怒りの声も上がった。希望の党は「小池の党」から「玉木の党」に脱皮できるのだろうか。(室伏政策研究室代表・政策コンサルタント 室伏謙一)

希望の党の共同代表選挙は
玉木雄一郎衆院議員が選出

 11月8日に告示され10日に投開票が行われた希望の党の共同代表選挙、玉木雄一郎衆院議員と大串博志衆院議員の一騎打ちとなり、39票を獲得した玉木雄一郎衆院議員が選出された。

 今回の共同代表選においては、憲法改正と政府の安保法制への態度が争点になり、対立軸になったとされた。確かに、玉木、大串両氏の主張はこれら2点について、真っ向からとまでは言わないものの、大きく異なっているように見える。

 玉木氏の政見に記載されたこれら2点についての記載は次のとおり。

 (1)憲法改正について

 憲法改正については広く議論します。その際、地方自治などの項目を優先的に議論します。9条については、自衛権の範囲が憲法上明記されていないため、恣意的な拡大解釈を許す余地があることから、専守防衛の理念を基本とした自衛権のあり方について、憲法上明記すべきかどうか議論を深めます。

 (2)安全保障法制の考え方

「近くは現実的に、遠くは抑制的に」の考え方に基づき、憲法に則った運用が行われるようにするとともに、存立危機事態の「新三要件」を厳格化するなど関係法令の見直しを行います。あわせて、北東アジアの緊張の高まりを踏まえ、領域警備やミサイル攻撃対処に必要な立法化を行います。